筋膜って何?
「筋膜」とは皮膚のすぐ下にあり、全身の筋肉と共に骨や内臓、脳など、すべての臓器を包んでいる膜のことを言います。そのために「第二の骨格」と表現されることもあります。
第二の骨格とは
よく人間の骨は建物でいう柱や、鉄筋などと表現されることがあります。しかし、建物とは違い人間の体は動きがあるため硬い骨だけで体を支えることはできません。そのため、体が動いても支え続けてくれる第二の骨格である筋膜が存在するのです。皮膚の中に着用しているボディスーツのような物だと想像するといいでしょう。
浅筋膜・深筋膜・筋筋膜
筋膜は大きく分けると、浅筋膜・深筋膜・筋筋膜(筋外膜・筋周膜・筋内膜)の三つになります。
筋膜とリンパ
表層のリンパは皮下組織に流れています。浅筋膜のとても近くであるため、筋膜の癒着を解くことでリンパの巡りも良くなることにつながるのです。
筋膜の特徴
癒着しやすい
筋膜の厄介な特性として、癒着しやすいということが挙げられます。そしてその一つの癒着が、あらゆるところに悪影響を及ぼしてしまいます。
仮に、体を包んでいるのがセーターだと想像してみてください。一ヶ所の糸を引っ張ると、あらゆる部分が窮屈になりますよね。それと同じように、一ヶ所で癒着が起これば繊維のつながりがある他の部分まで動きを鈍くしてしまうという特性があります。
筋膜リリースとストレッチの違い
どちらも血流やリンパの流れをよくするなど、似ている効果もあるため混同されやすいですが、両者は全く違うものだと思ってください。
ストレッチは筋肉の繊維をのばすもの。その伸ばしたい筋肉を包んでいるものが筋膜です。筋膜は癒着をすることで筋肉が本来持っている可動域を制限してしまいます。
- 筋膜リリースは筋肉の持っている能力を最大限に発揮させるために行うもの。
- ストレッチは、筋肉の柔軟性や関節の可動域を広げるために行うもの。
という違いがあります。
ストレッチの前に筋膜リリース!
筋膜が癒着した状態でストレッチを行うことは、動きにくいジーパンを履いてストレッチをかけようとしているものと同じようなものだと思いませんか?
なので私はストレッチを行う前に筋膜リリースを行うのをすすめています。
筋膜リリースは運動前?運動後?
運動前の筋膜リリースは、筋肉の本来の能力を引き出し、怪我の予防になるためにおすすめです。
運動後の筋膜リリースは、筋肉痛などの予防や疲れにくくするためにも良いとされています。
筋膜リリースが大切な理由
筋膜とは、比較的最新の研究によってその重要度が注目されるようになりました。筋膜という存在が発見されていなかったり、重要視されていない遥か昔から鍼や按摩、指圧、マッサージなどの療法は存在しましたが、これらはすべて筋膜へアプローチしていた可能性もあるとされています。
ストレッチと混同されやすいですが筋膜リリースは元々持っている筋肉の能力を最大限に活かすために行うもの。ぜひ、それを意識して行ってみましょう!